経済産業省 女性活躍推進基盤整備委託事業 女性起業家等支援ネットワーク構築事業

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  • 【For叶える】兼松さん(静岡県)

先輩女性起業家インタビュー

わたしの夢がかないました。

畑違いの業界に飛び込み、今までにない仕事を作る楽しさと難しさ。
それでもたくさんの人に出会い支えられてきた引き出物プランナー・おくりものコーディネーターという仕事

関東

兼松 明里さん

ーきっかけは?

いつかは手に職を、と日々考えていたのは育った環境のせいだと思っています。起業というか、両親が自営業と陶芸家でもあったことが自分の人生に大きな影響を与えていると思います。そんな環境で育った私ですが、なぜか小さい頃から獣医になりたくて…最終的に農業大学の畜産学科に入学し家畜にまみれた4年間を過ごしました。獣医にはなれませんでしたが、命を肌で感じる貴重な経験をたくさんしました。これは今思うと自分の人生になくてはならない経験でした。大学を卒業する時点で就職は決まっておらず、そのまま研究生として研究室に残ることになりました(就職浪人した学生の救命措置ですね。苦笑)。1年を過ぎる頃、バイオ系の派遣会社へ登録し研究生は卒業。製薬会社の研究所へ派遣され、そこから正社員へ転職することができました。しかし正社員とはいえまだまだ女性の立場は弱い業界です。日々ものすごいスピードで進んでいく科学の現場では、短期間でも一度離れると同じポジションに戻るのが難しいため、離れる前の何倍もの努力が必要でした。ただでさえ男性と同じような労働力が求められるのに、家事もしなくてはいけない、そして子育ても追加される…そのため妊娠出産を機に辞めざるを得ない先輩を多く見てきました。そんな環境に4年ほどおりましたが、やりがいを感じつつも頭をよぎるのは「このままでいいのだろうか」という思い。

そんな時私にも縁あって彼氏ができ(笑)彼の転勤を機に結婚することになりました。その後、派遣の仕事をはじめましたが、その職場で、雇用形態の違いによる待遇の差や社内環境により辛い想いをたくさんし体調を崩してしまいました。技術者として仕事を離れることに心残りがなかったといえば嘘になりますが、この先の見えない状況に仕事を辞めざるを得ませんでした。もう同じ現場への復帰は考えられず、まずは目の前にある結婚式を頑張ろうと決意します。自身の結婚式では、結婚情報誌の通りに結婚準備を進めつつも「人と同じような結婚式にはしたくない」とできる限り手作りをし、式場の制約がある中でせいいっぱいオリジナリティを出そうと頑張りました。

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その中で一番やりたかった【オーターメイドでカタログギフト】を作ってくれる業者が見つからず、「なければ作ればいいのでは」と自分たちで試作品を何度も作り、完成させました。内容は、主人と私の出身地から今住んでいる静岡まで移り住んできた場所の自分たちなりの観光情報やクチコミを混ぜたカタログギフトです。私も主人も全く違う人生を歩んできて、全く違う場所に住んできました。実際に行かないとわからない土地のいいところを伝えたかったんです。それをゲストにお渡ししたところ、未婚の友人たちから「私のときも作ってほしい!」と言われたことが最初のきっかけでした。

ー起業するまでどのような準備をしましたか?現在の事業について教えてください。

起業の準備をしたというよりは、このカタログギフトをどうしたら形にできるか?と動いていたら起業することになったといった方が良いかもしれません。たくさんの起業塾に参加し、SOHOしずおかやB-nestなど起業支援の専門家にも背中を押していただきました。きっかけになったカタログギフトは、製品化するにはお粗末すぎるものでした。普通のノートに、wordで作った写真と文章をプリントアウトし貼ったもの。しかも1か月かけて、プリントアウトした紙をせっせと切っては貼り、切っては貼り…80部作ったため、酷使したプリンターと私の手は故障…修理代は高くつき(涙)結婚式に間に合わなくなりそうになって妹夫婦に手伝ってもらい徹夜で作りました。はっきりその作業はもう二度としたくなかったのです。

そこで私は、自分が得意な「特産品やギフトのリサーチ」「文章の作成」「冊子の構成」を主な業務とし、デザインと製本は外注することにしました。デザインは妊娠出産を機に勤め人をやめてしまった子育て中のデザイナーさんに、製本は少数からでも注文を受けてくれる地元の製本業者に依頼しました。静岡に全く知り合いのいない私がこれをできたのも、SOHOしずおかの当時のマネージャーがいろんな方を紹介してくれたからつながり広がったもので、人脈は宝だと本当に思いました。実際に注文をいただくようになってからわかったことは、自分が主な業務としていること以外の相談も多く、結婚式よろず相談のようになることが多かったということです。もちろん、Onlymadeのカタログギフトは注文を受けていますが、悩んでいる新郎新婦が求めていることで私ができることなら何でもやろうという気持ちでいます。それにはブライダルの知識と人脈が必要だとも思い、現在は「weco」「イイヒトウエディング」というサイトに掲載してもらい、キーマンである大先輩のおかげでたくさんのフリープランナーの方たちともつながることができました。

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しかし、どこに行っても今までいなかった「引き出物プランナー」という業種は中々理解してもらえない日々。起業塾や相談に行ったことは糧にはなりましたが、いろんな方の成功例は全く当てはまりませんでした。ビジネスプランコンテストなどで賞をいただいたり講演をさせていただくことも増えてはいましたが、実際の仕事受注に行き詰っていた時に、三島市の子連れシェアオフィス「コトリスラボ」を作った寺田望さんに出会い、私の引き出物プランナーとしてだけでない可能性を見つけていただきました。

その1か月後、ひょんなことから大手食品会社の会長さんから「自社のギフト部門が行き詰っているので、アドバイスをお願いできないか」という依頼をいただきました。まさに寺田さんが指摘してくれた「引き出物だけでなくギフトとしてのニーズを知っている私」を活かすことができるチャンスがきたんです。寺田さんの眼力に驚き、報告がてらすぐにコトリスラボに行き会員にならせていただきました。そしてその後、コトリスラボの事業の1つ、静岡の隠れた逸品を紹介するサイト「ヒロインストア」の店長を務めさせていただくことになりました。

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現在は、大きな柱として「ギフト(贈り物)」があり、そこから3つの仕事が成り立っています。ひとつは、開業当初からやっている引き出物プランナーとして、「Onlymadeのカタログギフト」サービスを通して結婚式を挙げる意味を後世に伝えること。もうひとつは、ヒロインストア店長として静岡の隠れた逸品を取材・紹介すること。静岡にはまだまだたくさんの原石が埋まっています。ヒロインストアの掲載商品はまだ数える程度ですが、ひとつひとつの「ヒロイン」を大切に磨いていきたいと思っています。最後に、まだこちらは駆け出しですが、ギフトに特化したおくりものコーディネーターとして、生産者さんと「自分がもらいたい(消費者目線の)ギフト」の企画を予定しています。そしてギフトの開発だけでなく、贈り物難民(特に男性)へ向けての贈り物の選び方の「考え方」を伝えていきたいと思っています。ギフトはものだけでなく、心も贈り物になるということを知ってほしいのです。

そして、余談ですが現在生後4か月の子供の「母業」もしています。勤め人をやめ起業し、子供はほしかったけどどうしても踏み切れませんでした。そんなとき、コトリスラボの寺田さんが「なんとかなるよ。というかなんとかしようと脳みそフル回転する。それが成長につながるから」と。それがすごく心強かったんです。実際寺田さんも2児の母をしながら多忙な日々を送っていること、そして自分の周りにはバリバリ仕事家事育児と両立している女性がたくさんいることで、自分も頑張ろうと思っていた矢先に妊娠が発覚しました。日々変わる体調と闘いながらギリギリまで動き回り、陣痛室にまでパソコンを持ち込み陣痛の合間に仕事をし(苦笑)産後3か月で復帰しました。さすがに陣痛室にパソコンを持ち込むことになろうとは思いませんでしたが…(予定日より早かったため、出産までにやらなくてはいけない仕事を残しておきたくなかったので)。きっと寺田さんを始めとするママたちに出会わなければ、私はまた自分の可能性を自分でつぶしていたと思います。今でも彼女たちが憧れの先輩たちです。

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ー兼松さんがこれからの目標は?

今はまだまだ起業家と呼べるか、自分でも自信がありません。きっかけはひょんなことでしたし、形にするにもかなり苦労をしてきていますし、未だに悩みは尽きず「夢が叶った!」と言っていいのかまだわからないというのが本音です。それも、会社員の主人がしっかり働いてくれるから私は子育てしつつも好きなことをやっていられるんだと思います。引き出物プランナーとしての仕事も贈り物の仕事も大好きですしやりがいがあります。ただ、余裕がなくてつい口うるさくなってしまう日もありますが(苦笑)毎日感謝しています。なので一番近い目標は、「稼げる女」になること!夢ばかり見ていても食べてはいけません。お小遣い稼ぎ程度では起業しても続かない・どうしても「プチ起業」で終わってしまう人が多いという現実。私も気を抜けばそうなります。

今回インタビューのお話をいただいたからだけではありませんが、10年20年後も続く仕事にしていきたいです。そして地元を愛してやまない「引き出物プランナー兼おくりものコーディネーター」を47都道府県に誕生させて、ヒロインストアをモデル化し47都道府県の隠れた逸品をみんなで見つけて情報交換できるようになりたいです。絶対楽しいと思います!!そして、結婚する意味・結婚式の大切さ・自分の住む土地や自分の生まれ育った土地を愛するということを、これからの若い人たちに知ってほしいという想いも持っています。そのためにもこれからもコツコツと活動を続けていきたいと思います。

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ーこれから何かはじめたい!女性にメッセージをお願いします。

最初、起業は孤独との闘いでした。人間不信になりながらも人を嫌いになれなくて、信じたくて、騙されてふさぎ込んで…起業する女性をカモにしようとする輩もたくさんいます、自分の手柄にしようとする人もいます。いいとこどりしようとする人も。それでも信頼できる戦友に出会えればほとんどが敵でも頑張っていけます。そして、自分の可能性は自分だけじゃわからないこともあるし伸びないこともある。もちろん自分自身の信念は大切ですが、共に切磋琢磨できる仲間が自分を成長させてくれるので、是非【戦友】を見つけてください!!(仲良しごっこではいけません)

ひとりじゃくじけそうな時も、戦友がいたから私は頑張ってこれました。最初から見つかることは少ないでしょう、でも頑張っていれば同じ志をもった人が自然と集まってきますから。「戦友と人脈はお金では買えない」これは常日頃実感しています。

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お名前 兼松 明里さん (静岡県)
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