経済産業省 女性活躍推進基盤整備委託事業 女性起業家等支援ネットワーク構築事業

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先輩女性起業家インタビュー

わたしの夢がかないました。

病気になったからこそ自分の目線で見えてきたものづくり。にっぽんの福祉をかわいくしたい

北海道

大海恵聖さん

-きっかけは?

この事業を始めることになったのは、2010年に関節リウマチという病気を発症したことでした。高校を卒業して金融機関に勤め、結婚後に3人の子を出産。子育てもひと段落した頃、金融機関での仕事も再開し、もともと好きだった手工芸の資格も取り、児童会館などを回り子供たちに教える充実した日々を過ごしていましたが、突然の発症。この時すべてに「投げやり」になっていったと思います。発症してから3か月程で、右手でご飯を食べるためにお箸を持ち上げていることさえ維持できなくなり、左手を使ってフォークで食べるような状態までになっていました。このころの私の態度は家族にも大分迷惑をかけていたと思います。そして「もう、ものづくりのための道具なんかいらない」と卑屈になり、当時持っていた織機・紡毛機・編み機等の道具一切を処分し、これからどうなるのだろうと思い悩む日々でした。気持ちの変化のきっかけは、それらの事情も全部知っている編物教室の恩師からの声かけ。「ショーに出す作品を作ってみないか」と言われ、「手がうまく動かないことを知っているのになぜ私に?」と思いましたが、そういわれると元々ものづくりが好きな気持ちだけはワクワクしてくるのです。「簡単な編み方のデザインでよいものを作ればいけるかも・・・」そう思い立ち編み始めると、意外にも両手を交互に動かす棒針編みは手の動きが良くなることに気づきました。その後、何とか作品完成にこぎつけ、ショー当日、会場に向かう車の中で涙があふれてきました。「私は病気になる前と何も変わらず自分の作品をもって会場に向かっている」「出来ない」と決めつけていたのは、「自分の心」だったのだと気が付きました。その後、障がいを持ちながらもいきいきとした活動をしている人達と出会う中で、その時その時の自分を受け入れればいいのだと更に気づかされ、「じゃあ、そういう人達のための福祉用具も、もっとかわいくしよう」と。「気持ちがワクワクするようなコミュニケーションがうまれるようなものづくりをしよう」と。病気はもちろん体調の変化で色々ありますが、自分の心が元気であればなんとかなる!「病気には意味があったのだ」と。今振り返るとそれが私の視野と行動を急速に莫大に広げてくれました。

Web

3Dプリンターで制作した車いす型チャーム約1.2㎝立方体【意匠登録第1545374号】

-起業するまでどのような準備をしましたか?

まずは、前職に就いている間に、これから販売しようと思っているイメージのデコレーションをした杖―【デコ杖】の「商標」を出願しました。ものづくりですからネーミングを決めて、作り始めてから「これはもう他の人が使っているからだめだよね」と言われてしまっては元も子も無いので、一般社団法人北海道発明協会にいき手順を指導してもらい自分で出願しました。その後、前職を2012年12月に退職し、2013年1月から札幌商工会議所内の創業に向けたインキュベーション施設「創業ビレッヂ」に入居し、専門家による個別指導のもと具体的な指導・支援を受けました。そして具体的な販売商品の試作品が出来たころでPL保険に入りました。どんな商品であっても、欠陥・事故・クレームが「絶対ない」という保証はありません。事業を進めていく上で、ここに時間を取られることが最大の損失だと思っていたので、ここはしっかり押さえました。その後、「商標権の活用法セミナー」を開催していた現在のオフィス所在地の「ものづくりオフィスSHARE」に参加したのをきっかけに、活動拠点を移しました。

デコ杖

デコ杖【商標登録第5575368号】【商標登録第5689708号】

-現在どのような事業をされているのですか?

2014年11月に3Dプリンターで制作した車いす型のチャームを装飾した「車いすピアス・イヤリング」。2015年10月に車いすや杖を使っている女の子や見た目にはわからない障がいを持っている男の子等のキャラクターブランド「私の目線-my view point-」を発売しました。事業コンセプトの『にっぽんの福祉をかわいくしたい』を軸に、「それ!かわいいね!」からはじまる、コミュニケーショングッズを販売しています。≪福祉≫というくくりの中にいながらも≪かわいいものをつくる≫という、いままで世の中に少なかった事業の立ち位置にいると思います。実はこの商品はオフィスがある「ものづくりオフィスSHARE」のシェアオフィスの中に入っている場所を共有している会社や個人事業主と一緒に商品開発をしています。一人の会社でありながら、一緒に仕事をする仲間がいるという環境は、「経営者の孤独さ」を、かなりカバーしてくれます。また、オフィスを運営している株式会社シェアデザインの代表 斉藤隆さんが、商品価格設定や新商品の開発などで、気軽に相談相手になってもらえていることも、その時その時の、「見誤り」を自分に気づかせてくれる機会になっています。

青イヤリング

リアムiPhoneケース

わたしの目線

私の目線-my view point-【商標登録第5845380号】

-大海さんのこれからの目標・目指すもの

まだまだ始まったばかりですが、直感的に「やりたい!」と思ったことに正直に、「じゃあどうやったらできるか」を「そのためのリスクは?」「それをやったら何がおこる?」をしっかり考えながら、会社としての信頼信用を確実につけるために書類や段取りはていねいに。思い切っていく時はいく!このあたりをしっかり土台として積み上げていきたいと思います。また、三年続けている“ウォーリウォーク実行委員”も引き続きCSR活動としてやっていきたいと思います。https://www.facebook.com/wallywalk0921/

このイベントは代表の斉藤さん(株式会社シェアデザイン)の声かけで有志が集まり“みんなで楽しんでいたらいつの間にか世に中の役に立っていたよね!”をコンセプトに障がいがあってもなくてもみんなで一緒にウォーリーを探せ!のコスチュームを着て、謎解きをしながら街を練り歩きます。ランダムなチームを作り、チームの中で自然に車いすを誰かが押したりします。街中の市民は「あ!ウォーリーだ!」といって手を振ってくれます。普段は、見られたくない、じろじろ見てはいけないんじゃないか、と思っている双方の見えない隔たりを自然になくすソーシャルグッドイベントです。

ウォーリー

ウォーリー2

-これから何かはじめたい!女性にメッセージ

「なにからやったらよいかわからないんですが・・・」と、相談されることが多いのですが、まずは、やらなきゃいけないことを思いつくだけたくさん書きだして、それをもう片っ端からやってみるのが良いともいます(笑)やってみないとわからないことがたくさんあります。失敗も成功も経験値を上げていくことが自信と知識を積み上げていきます。そして「取引する相手でやり方が変わる」ということだらけです。起業するために経理の知識が必要―と思って完璧と思って勉強したことも、その時の「取引先の都合や昔ながらのやり方」に合わせながら書類のやり取りをしなければいけないことがたくさんありました。ただ、一つだけこれだけは勉強してほしいという事でいうなら≪契約書≫ですね。これをどううまく取り扱いするかが事業を安心して続けていくためのトラブル回避になると思います。「攻めと守りのバランス」はとても大切だと思います。

お名前 大海恵聖さん (北海道)
会社名 株式会社エムブイピークリエイティブジャパン
北海道札幌市中央区北二条東一丁目3-3北二条サンマウンテンビル3階
会社URL http://dekotsue.com

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